2019冬休み読書メモ②『FACT FULNESS』
人は「ドラマチックな世界の見方」をしている。『ファクトフルネス』で間違った思い込みをやめ、「事実に基づく世界の見方」をしよう!という内容。
きゃんさんがzoomで読書会を開いてくれた時の課題図書。
分厚い本だが興味深い内容が多く、すらすら読めた。
本書では10の思い込み本能について書かれているが、その中でも特に印象に残った3つの本能についてメモ。
1.ネガティブ本能・・・世界はどんどん悪くなっているという思い込み
◎ネガティブなニュースの方が圧倒的に耳に入りやすく、物事が良くなったとしてもそのことを知る機会は少ない。特にゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。また、「悪い」と「良くなっている」は両立する。
◉子ども達との関わりでも同じで、子ども達は常に成長しているにも関わらず、課題ばかり目に入ってしまう。「悪い」という現状ではなく、「良くなっている」という変化の方向に注目できるかが大切。(「良い・悪い」というのも結局教師の価値観による。なぜ授業中手を挙げて発表する子が「良い」のか。なぜ掃除中は一言も喋ったら「悪い」のか。)
☆ネガティブ本能を自覚し、いかに子ども達の成長や長所に気付けるか。良いところを探す事を前提とした関わり方。→一筆箋
2.パターン化本能・・・ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込み
◎インドのエレベーターの例が面白かった。スウェーデンの医学生がインドのエレベーターで足を挟まれ怪我をしたという話。(医学生はドアにセンサーがあると思い込んでいた。インド人は「医学生なのにエレベーターの乗り方も知らないのか?」と呆れた。)
◉自分が普通だと思い込んではいけない。ひとつの集団のパターンを根拠に物事が説明されていたら、それに気づくことが大切。自分と違う考え方を大事にする。変だと思うことがあったら、好奇心を持ち、謙虚になって考えてみる。
☆教育に対する考え方や取組も。変だと思ったところに、自分の考えを深めたり広げたりするヒントがある。
3.犯人探し本能・・・誰かを責めれば物事は解決するという思い込み
◎何か悪い事が起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなる傾向が、犯人探し本能。「地球温暖化を引き起こしているのはインドや中国やそのほかの所得レベルの上がっている国だ!」→人間によって大気に蓄積された二酸化炭素の大部分は現在レベル4にいる国々がこの50年間に放出してきたもの。カナダのひとりあたり二酸化炭素排出量は、今でも中国の2倍、インドの8倍にのぼる。犯人ではなく正しい原因を探り、現実的な解決策を見出さなければならない。
◉どんなことがあっても、ひとりの人やひとつのグループを責めないようにする。なぜなら、犯人を見つけた途端、考えるのをやめてしまうから。ほとんどの場合、物事ははるかに複雑。犯人よりもシステムに注目する。
☆誰かを責めるとほかの原因に目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなる。分掌や学年で上手く回っていない時は、誰かが悪いのではなくシステムに原因がある。次は間違わないようにシステムを変えていく必要がある。