エッセンシャル思考
しるし書店で「さる先生→おにぎりパパ先生→たらこ」と流れ着いた『エッセンシャル思考』。改めて読んでみました。(あと何度か読んだら、自分もしるし書店に出品しようと思います)
エッセンシャル思考とは「より少なく、より良く」を追求する生き方です。
教員の「給特法」が注目され、働き方改革が声高に叫ばれている昨今、とても大切な思考です。
でも教育現場においては「生産性」を求めることがよろしくないとされる風潮があるように思います。(少なくとも自分の周りでは)
私は今年度、さる先生の「丸付け界王拳」を取り入れました。
テストの45分。
— さる@小学校教師|Y.SAKAMOTO (@saruesteacher) March 1, 2018
その時間のテストを、その時間のうちに採点する。
返して、直しまでさせる。
満点の子は教え手に回ってもらう。
今学期、これを本気でやり出したら、もう圧倒的になってきた。
仕事を早く終わらせながら、子どもの学びのアウトプットを最大化。
これぞ生産性向上。#教育の生産性 pic.twitter.com/2xCY4jjGyH
これを続け、今や何のテストでも1時間のうちに「テスト、テスト丸付け、テスト返し、テスト直し」ができるようになりました。フリーザも驚くことでしょう。
テスト後すぐに間違いを分析できるし、何よりすぐにテストが返ってくるので子ども達は嬉しいようです。自分自身も放課後に丸付けをすることがなくなるだけで、残業時間が少なくなりました。
しかし、「テスト中は見回らないと」「終わった子から提出すると、終わっていない子が焦るのではないか」という意見も。(一応クラスの子達にアンケートを取り、全員が納得したうえで行っています)
ふむむ。言いたいことは良く分かります。
今日ツイッターで、教師の生産性について「kawahi 教務主任」さんが投稿していたものが、とても分かりやすく共感できたのでブログに載せる許可をいただきました!
①
— Kawahi 教務主任 (@whiteteacher3) March 9, 2019
『日本の時間当たり労働生産性は47.5ドルで、OECD加盟36カ国中20位。』
つまり、どれだけ効率よく働いているのか?
って項目において日本はOECDの中で真ん中よりちょっと悪い。
全然トップクラスではない!
出典👇https://t.co/IviruKCJ7s
日本はGDP3位。仕事の効率はイマイチでも、労働時間と労働人口の大きさで成果を出してきた。しかし人口は減っていく。伴ってGDPも下がる。これから成果を上げていくには生産性を高めていくしかない。(幸せを求めないなら、更に労働時間を伸ばすという選択肢もあるが…)日本の教育もGDPと同じで、PISA調査を見ても「成果は大きいが効率は悪い」。つまり、これから大切なのは「労働時間を減らすこと」。難しいことではなくて「自分が無駄だと思う業務は減らすだけ」でいい。
一連のツイートを見ていただければ分かりますが、大体こんな感じ。
エッセンシャル思考は「より少なく、より良く」ですが、「より少なく、今の成果」で十分という考えですね。全くその通りだと思います!
「教育において大切なのは効率ではない」
これは大切な考えだし、正しいと思うのです。教育で大切なのは効率ではなく効果です。だからこそ、「丸付け界王拳」について「テスト中は見回ったほうが…」という考えも分かる。そこに教育的価値や教育的効果を見出すなら、しっかり取り組めばいい。でも、自分はきっとこれからも1時間のうちに返します。その方が教育的効果があると思うし、自分の為になるので。
(初任の時、テストを1週間以上返さずに保護者の方から怒られたことがあります。すみませんでした。)
「自分が無駄だと思うこと」という言葉に救われた気がします。
正直、教育的価値が全くないと言ってもいいほどの仕事もあります。それを何でもかんでも丁寧に全力で行うときりがないし、それでは教師が潰れてしまいます。それこそ子ども達の為にならない。
初めて体育主任を任された時は、全て一人で背負いこみ、自分に余裕がなく、子ども達にあたってしまっていました。子ども達には謝り、許してくれましたが…。
考えることを放棄して、全ての仕事に時間をかけて全力で取り組むのではなく、一人一人が「今、自分は本当に正しいことに力を注いでいるのか」を常に問い続けながら仕事をする。
働き方について改めて考えさせられた日曜日でした。
※さる先生の書籍が出版されました!今回の記事とも関係する内容です。読んだら働き方が変わります。ぜひ!